BLOG ミース・ファン・デル・ローエ的、倉庫の美学

「Less is more(少ないことは豊かなこと)」

この言葉で知られるモダニズム建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエ。
彼の建築には、装飾を徹底的に排除した“静かな秩序”が貫かれています。
直線、光、空間。余白があるからこそ、本質が際立つ。そんな哲学です。

東九州デイリーフーヅの物流現場にも、似た空気があります。
大分豊海チルド物流センターの外観。倉庫内に並ぶカゴ台車や商品ラック。出荷時間を意識して組まれた導線。
そこには見た目の派手さはありませんが、機能と美しさが共存しています。
整えること、揃えること。ひとつひとつの動作が、“速さ”ではなく“確かさ”を生む。
これこそが、私たちの現場にある「美学」だと感じます。

ミース建築の特徴の一つは、「構造そのものがデザインである」こと。

私たちの仕事も同じです。
見た目の“美しさ”ではなく、どう積み、どう運び、どう届けるか。
そのプロセスそのものに、無駄を削ぎ落としたロジックがあり、結果的にそれが“美しい”と感じられる。

整然とした倉庫の棚も、荷室の中の積み込みも、よく見れば“構築された空間”です。
トラックがバックでぴたりと納品口に着けられた瞬間も、ある種の完成された一枚の風景に見える時があります。
ミースが「神は細部に宿る(God is in the details)」と言ったように、私たちの物流も、細部にこそ心を込めています。
今日もまた、何気ない倉庫とトラックの風景の中に、“美しい合理”が息づいています。

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